秋は読書の秋、漫画の秋ですね。
今回は先日書いた『春の呪い』の作者である 小西明日翔 先生が描いた作品が、今までにない感じで面白かったのでレポートします。
タイトルは『来世は他人がいい』です!
作品について
先ほども書いたように、 小西明日翔 先生が描いています。2017年より『アフタヌーン』(講談社)で連載中です。
単行本は現在5巻まで発売されています。
アニメ化はまだされていませんが、第5巻の発売時に月刊アフタヌーン公式Twitterアカウントで特別CMがで公開されました。
作中に登場する数々のヤバイ発言に、石田彰さんが声をあてていますので、ご興味のある方は探してみてください。
「石田彰 来世は他人」とかでググると出るはずです!
・石田彰さん役例
『エヴァンゲリヲン』 渚カヲル
『機動戦士ガンダムSEED』 アスラン・ザラ
『NARUTO-ナルト-』 我愛羅
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 猗窩座(あかざ) 他
尚、『来世は他人がいい』は、2018年度「次にくるマンガ大賞 コミックス部門」第1位に選ばれています。
あらすじ
※ここから先はネタバレを含みますので、知りたくない方はご遠慮ください。
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大阪の極道の組長を祖父に持つ女子高生、染井吉乃。総長である祖父が東京の組と和睦を結ぶことになり、その組の孫息子:深山霧島と婚約することになった。
いきなりの婚約話、大阪から東京に引越しして婚約者の家に住むなど、環境は一変した。
一番の問題は、婚約者である霧島が当初思っていたより遥かに厄介な人物だったようで―――?
吉乃を中心にきな臭い話が次々起こる!スピード感満載の、極道系バイオレンスラブストーリー‼
という感じです。
かなりゴリゴリと極道。
極道の組長の孫娘と孫息子の話なので、極道の話が中心です。
この作品については、日常生活ではまず聞かない単語やら、仕組みやらが結構出てきます(わからなくても普通に読めます)。
吉乃たちの家も、暴力団関係者が出入りしてます。生活の背景に極道(の家の子)としての日常生活が溶け込んでいるのが何とも不思議です。
魅力1 キャラクター同士の会話も楽しめる
基本はあまりにも常識外の霧島に、吉乃が気圧されつつもツッコミを入れる、というコメディタッチのやりとりになります。
暴力的な話ばかりではないので、安心してください。
事件が起きていない間は吉乃の血圧が心配になるくらい(笑)、霧島にツッコむか、こんこんと説教してます。
『春の呪い』のときもそうでしたが、この作者さんは重たい話を進行させつつも、キャラクター同士のやりとりを楽しく見せることができるので、普通の会話を見ててもクスッと笑えます。
魅力2 主人公・吉乃の暴力性にシビれる
一般的に極道関係の漫画だと、女の子が極道の男性に好かれて…という話が多いですが、今回は極道の家の孫娘が主人公です。
もちろん、極道の家の娘に生まれて、極道の男性と恋愛・結婚する話もありますが、概ね「庇護される女の子と極道男性の恋」の枠に入るのが一般的です。
しかし、一味違うのがこの作品の主人公・吉乃です。
吉乃は普通の女の子の感覚を持っていますが、土壇場でスイッチが入ると豹変します。
むしろ自分で組長になれるんちゃう?(なぜか大阪弁笑)と思うくらい、思考回路や美学が極道です。
霧島の好みの女性は「自分を振り回してめちゃめちゃにしてくれる女性」なので、そういう吉乃のぶっ飛んだ暴力性に惚れ込んでいます。というか、慣れてくると読者も惚れ込みます。吉乃の凄味のある啖呵が爽快になってくる謎の現象が発生。
「極道男子に守られて恋愛で幸せになる女子」像を粉々に破壊してくれます。
吉乃の只者ではないところが魅力です。
魅力3 ドMでサイコパスなヒーロー役
深山霧島は、「ラブリーチャーミングな敵役」…ではなく、「ドMでサイコパスなヒーロー役 」です。
霧島のサイコパスな資質が、育った環境に染まって暴力的かつ裏社会的な方面で開花しているので、やっていることのイカレっぷりが半端ないです。
また、「いや、それ言うんかい」って思わずツッコミたくなるような、数々の愛情表現(トンデモ発言)が飛び出すので、それも面白さの一つです。
参考:過激な暴力描写はあるか?※あくまで筆者の感覚です
読んでみたいけど暴力描写がキツいと読めないんだよねって方、いらっしゃると思います。
ちなみに私もそのタイプです。
個人的な感想なので断言はできませんが、暴力描写の過激さについて書きます。
人を殴る・蹴るという暴行の場面が普通にでてきますが、バトルものの少年漫画と大差ないと思います。
目を覆いたくなるような直接的な表現は、視点を変えることによって描くのを避けられています。
殴る蹴るのさらに上を行く暴力描写(人を拷問にかけている)が少しありますが、5巻まででは具合が悪くなることはありませんでした。
グロさでいけば、『進撃の巨人』の方がグロいです。
タイトルから考えること
「来世は」って言ってるくらいなので、多分結婚するんじゃないでしょうか。
「来世は他人がいい」っていうのは、「関わりたくない面倒な相手だけど縁が切れない」って意味ですから、今世では「そのうち他人(恋人)以上になる」ってことなのかなぁと。
「他人」の反対の意味は「家族や身内」だと思いますが、作中で吉乃が組員は家族と言っている場面があり、極道の世界観を踏まえた良いタイトルだなと思いました。
最終予想としては、
吉乃を巡るごたごたが発生→吉乃と霧島がもめる(もしくは一時的に霧島が疑われる)→最終対決→二人の協力によって解決→なんだかんだ丸め込まれる吉乃、
っていう感じで終わると思います。
黒幕に吉乃が啖呵を切って、予想外のところから霧島がとどめを刺しに来るのが目に浮かびます。
補足:電子書籍に番外編あり
吉乃と染井組の組員、鳥葦翔真との出会いのエピソードが電子書籍で販売されています。
コミックは紙で読む派の皆さんも、ご興味あれば自分の使いやすいコミックサイトで確認してみてください。
AmazonのKindleでも購入することができます。
終わりに
さて、いかがでしたでしょうか?
興味を持たれた方は、ぜひご一読ください。
こちらからは以上です!
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