丁寧に作られた良質なエンターテイメント。【ファミリーアフェア】感想。

映画

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皆さん、ネットフリックスには入ってますか~?

この前、ネットフリックスが新作として推してきた映画が面白かったので、

今回はその感想を書いてみたいと思います!

基本情報

監督 リチャード・ラグラヴェネーズ
脚本 キャリー・ソロモン
出演者
 ニコール・キッドマン
 ザック・エフロン
 ジョーイ・キング
 ライザ・コーシー
 キャシー・ベイツ

あらすじ

ザラは映画プロデューサーを夢見ているが、将来へのステップとして有名俳優のクリスのアシスタントを務めてきた。

癖が強く自己中心的なクリスに振り回され、ザラはある日退職を決意。

慌てたクリスはザラの家に説得に赴くが、ザラは不在。ザラの母親であるブルックに出会う。

二人は意気投合し、お互い惹かれ合うが、ザラは二人の交際には大反対で・・・?

※ザラの父親は既に他界している

という感じのラブコメディです。

脚本の良い点1:二人の共通点が盛りだくさん

ブルックとクリスが出会う場面だけでもお互いに共通点が多くあります。

・故郷から遠く離れた地で暮らしている

・子供のころけがをしている

・親しい人を亡くしている

などがあげられます。

共通点だけではなく、ブルックの教養の深さが示されており、快活さと聡明さを併せ持つ人物であるということがこの場面だけで分かります。

また、二人とも本来の意味で自分らしい人生を生きていない、ということが段々と明らかにされており、そういう部分もひかれあう要因の一つでしょう。

脚本の良い点2:『ヴォーグ』クローゼット

ブルックが小説家で、短編をヴォーグに掲載し、その対価としてブランドの洋服をもらっています。

しかし約十年前(推定)に夫を亡くしたブルックが、デートのために山のようなドレスを着たり脱いだりしている様子を見ると、ここ数年着る機会がなかったのでは?と思われます。

後半でブルックが意図的に小説家として表に出ないようにしていたという事実も明かされます。

つまり、「ヴォーグ」クローゼットとは、デートする機会がなかった「女性」の部分、そして作家としてのブルックの両方の意味を象徴しています。

脚本の良い点3:父と娘の重複

ザラは芸術家の家系です。

父親と母親は作家で、もう一人の主要な登場人物である祖母レイラは写真家と思われるシーンがあります。

ザラはブルックに対しても劣等感を感じているのですが、それは父親と同じことを母親に思っていた、ということが段々と明るみにでます。

脚本の良い点4:細かいところまでよく練られている

その他、ここが面白いなーという細かい部分があるので挙げていきます。

・冒頭のシーンでザラが、有名人で出歩けないクリスに代わってスーパーで買い物をしています。

最後のシーンではクリスがブルックとスーパーで仲直りする、という伏線回収です。

二人は目立たないように交際していたでしょうし、スーパーでの仲直りって結婚の暗示じゃない?(日本でいう僕に味噌汁を作ってください的な)とすずやは解釈しました。

・あとはひたすらクリスの口説き方がうまい。日本ではまずお目にかかれないくらい口説くのがうまいので、そういうのが見てみたい!という人にはおすすめです。

・うっかり「love you」っていってしまってやっちまった~!っていう顔をしているクリスもよい感じです。

・クリスがどれだけ有名か分かるエピソードもしっかり盛り込まれています。ザラの診療に付き添ったのに、お医者さんがザラそっちのけでクリスと話したがっているのをみると、ああこういう有名人生活送ってるんだ~とすぐ分かります。

・対して、ブルックは相手を質問攻めにしないし、自分の話をしてから(もしくは相手の話を聞いてから)相手にも興味を持って質問していたように見受けられます。

・あと家の対比も面白いかな。というか、多分カリフォルニア?(映画産業だから)の近くにあんなでっかい家を持ってるなら、ザラはお金持ちだよなーと思いました。女性では重たくて扉を開けられないクリスの家も、本人の暗示みたいで面白かったです。

まとめ

全体的に、登場人物の掘り下げがしっかり行われており、セット(クローゼット等)にも脚本にも反映されていてとても誠実な仕事をしているな~という印象です。

小難しいところも矛盾を感じるところもなく、俳優さんたちも各キャラクターの個性を魅力的に演じていて非常に好感が持てます。

世界中で大ヒット!という訳ではありませんが、エンターテイメントとしては質が良く、見ていて気持ちのいい映画です。

終わりに

さて、いかがでしたでしょうか。

興味のある方は見てみてください。

それでは、本日はこれにて。

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