『メルティホワイトアウト』【BL】短めの話数の中に恋愛と伏線が凝縮された良い品でした!

コミック

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皆さん週末を元気に過ごしてますか?

すずやは簿記の勉強しなきゃいけないのにストレスでブチぎれて漫画読んでました(;’∀’)

しょうがないんです、定期的にフィクションを摂取しないと息が詰まって死んでしまう生き物なんです!(割と本気で)

こんかいは、無料コミックにて面白かった漫画をご紹介します!

注意事項

・BL作品のご紹介です

・R18の内容を含みます

・ネタバレします!

以上の3点をご了承の上、興味のある方のみご覧ください。

また、当方無料コミックスでの読了のため、今回はページ数を記入することができません。

ご了承ください。

基本情報

・タイトル 『メルティホワイトアウト』

・著者 鯛野ニッケ

・出版 ディアプラスコミックス(株式会社新書館)

・出版年 2024年10月1日

あらすじ

脚本家兼演出家である國司竜彦(くにし たつひこ)は、喫茶店兼小劇場のオーナーである。

ある日仕事を終えると、店の外には有名若手俳優の早坂真樹の姿があった。

真樹は辰彦が主宰を務める劇団マチナカにかつて所属していて、辰彦とは先輩後輩の間柄だった。

声が出なくなって休業したという真樹。

辰彦は突然現れた真樹に動揺するものの親身に接するが、一方でその才能に複雑な気持ちを持っていて・・?

果たして真樹の声が出ない原因は何なのか?そして二人の関係はいかに!

という感じの話です。

BL作品に対するすずやのスタンス

すずやはほとんどBL読まないです。なので、腐女子ではないです。

特に嫌っているわけではないのですがなんとなく敬遠していて、最近興味のあるものだけポツポツ読んでいる、という感じです。

人によって好き嫌いがあるので、ご紹介をするべきか否か結構迷いました。

が、作品の良さがなんというか、すずやの考察ブログを読むタイプの人に合いそう・・・というか、

すずやの個人的な漫画の好みと合致したので、取り上げることにしました。

合致した部分とは

ちなみにすずやの嗜好と合致した部分は伏線の回収と比喩表現の多重の仕掛けがものすごくうまいところです。

すずや、そういうのにものすごく弱いです(笑)

正直、読み終わった後はあまりにもツボだったので、鯛野ニッケ先生におすすめの本とか好きな本とか聞いてみたくなりました。

なんか、勝手に趣味が合いそうな気がしてしまったんですよね。

まあ【推しの子】の考察も似たようなところがあって書き始めたしなー。

ちなみに風の噂で【推しの子】のラストがひどいと聞いて、今からとても楽しみにしているすずやです( ´∀` )

鳥かご=マチナカ=六畳一間

真樹は辰彦から見ると「怪鳥」と言われています。(マチナカの計画中の追想)

辰彦が率いる劇団でマチナカでは真樹の才能が入りきらない=鳥かごに入らない、と言われています。

そして、ラスト近辺で出てくる『ボロアパートの青い猫』の「六畳一間の部屋」は、明らかにマチナカ

(と辰彦の元)を暗示しています。

この時点で、

鳥籠≒劇団マチナカ≒劇中ドラマの六畳一間の部屋

が三重になっているのです!

すげー!!

ひな鳥

ちなみに真樹の視点においては、真樹がひな鳥で、飛び方は辰彦に教わったと言っています。

ひな鳥がでっかくなって怪鳥になって帰ってきたわけですね!

物語の最期に、真樹が書けなかったノートに最後に「スター役者」と書いています。

すずやはこれ見た瞬間『最初に戻ってきちゃったよ(笑)』って思いました。

多分これ、辰彦が開花した真樹を見て「天才?」って言ったのを受けて書いたんだと思うんですよね。

真樹のアイデンティティは、辰彦から見た素晴らしい役者でい続けることだし、そもそもそれ以外のものは持っていなかったのだと思います。

すずやの印象としては、インプリンティング(ひなどりの刷り込み)みたいな意味もあるのかなと思いました。

ひな鳥は親の後を追うものですしねー。

独断と妄想劇場:3浪の原因は?

辰彦さんが「小説が面白すぎて3浪した」のはほんとは違うんじゃないかなー?と思っております。

親の遺産でマチナカを作ったと言っていますが、つまり彼の両親は亡くなっています。

大学に入る直前くらいになくなって、受験ができなくなった(or受かっていたけど大学に来れなくなったのではないか?とすずやは思っています。

で、小説を書くことで自分の立て直しができて、大学に復帰したんじゃないかなーとか。

多分辰彦さんみたいなタイプは、重い過去は正直に言わずに「小説書くの面白すぎて浪人した~(笑)」とか半分嘘で半分ほんとの事言いそう、というすずやの独断と妄想です。

そういう深い衝撃と苦しみ・辛さがあって描かれる脚本なので、感性の鋭い人間の心を打つし、その一つ一つを体現してくれる真樹に執着を抱くんじゃないかなーと。

ある意味心を掴まれた、とそういうことになるんでしょうね。

序盤作品内で後輩時代の真樹を恋愛対象として見ている様子があまり見られないのは、元々は脚本家としての執着の方が強いからだと思われます。

真樹のアプローチの仕方が正解

そんな辰彦さんなので、普通の恋人よりも自分の脚本を体現してくれる有能俳優の方が遥かに価値があるという結果になるのも納得です。

そして真樹が告白せずに、脚本家の一番の理解者兼具現者になる、というアプローチの仕方を取ったのはつまり

大 正 解

です。

というか、この話数でこれだけ緻密に恋愛関係の伏線(本線?)を仕込んで持ってくるのうますぎやろ、とすずやは唸りました(笑)

二人の関係について

さて、この二人の関係性についてももう少し書きたいと思います。

最初は真樹→辰彦だったのが、最後は辰彦→真樹が追いかける展開に変わります。

が、真樹自身は辰彦を尊敬する人として見ているので、この二人は社会的な評価では上下がありますが、二人とも自分が追いかける側だと思っているという何とも不思議な状態です。

そしてお互いに追い求め続けるので、俳優としての才能と、脚本家としての才能が上がり続けるというまさに運命みたいなカップルです。

互いにミューズ

辰彦は真樹がいなくなったことでオリジナルの作品を書くことができなくなり、逆にあてがきをしようとして新しい脚本を書いているなど、真樹が辰彦のミューズ(芸術家にインスピレーションを与える人間の事。通常は画家と美しいモデルなどの関係が多い)です。

そして真樹も辰彦の「信者」と言われるくらいに脚本に魅力を感じています。

死の誘惑

物語序盤の山の劇と、ラストに出てくる夢の話ですが、

辰彦さんは真樹という途轍もなく魅力的な超次元の「何か」(謎の男)に導かれて、死ぬかもしれない山に登っていきます。

これもなんというか、死の誘惑的な話も入ってますね?ってなったすずやでした。

死の誘惑の説明がうまくできないのですが、例えていえばセイレーンの歌声に聞きほれてると難破して死ぬ、とかそういう妖精譚みたいなものが持つ、甘美(な死)と魅力(引き寄せ)みたいなやつです。

でもそれが雪山なのと、「死が安らか」って言ってるのである種とても清々しかったです。

ちなみになぜ辰彦が「ロマンチスト」と言われているのかというと、この夢を情緒もへったくれもなくストレートに訳すと、『真樹と生きるためなら死ねる』みたいな訳になるからです(笑)

ストーリーに無駄がない

この作品は辰彦さんの3浪話のように、登場人物を書き込もうと思えばできますが、必要ない部分は全部省いて所定ののページ数にギュっと収めた印象です。

なので、ストーリー展開が早くて無駄がないです。

それなのに現在と過去を行きつ戻りつしつつ、山の中の劇と現在と過去とドラマで伏線と比喩が張られている上に、きっちり恋愛漫画として仕上げてくるあたりプロの御業(みわざ)でした。

ご興味のある方、Amazonでも楽天でもリアル本屋でも構いませんのでぜひ読んでみてください!

とりあえず楽天へのリンクはここに貼ります!


終わりに

さて、いかがでしたでしょうか。

BL見ない方は申し訳なかったな~と思いつつ、すずやこれ読んでから4日ぐらい頭の中をぐるぐる回ってて、

どうにもブログを書かざるを得ませんでした(笑)

今日ここに書いておけば、明日からは安らかに現実に立ち戻れますε-(´∀`*)

それでは、本日はこれにて!

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