さて、前回お約束していたアイドルフェスの補足に行きたいと思います!
主に4巻#045を中心とした内容です。
作者さんのせいhゲフンゲフン、作りこみ大好きという嗜好が見事に反映されているので、興味ある方はぜひご覧ください。
お品書き☆
さて、アイドルフェスの白いサイリウムについては、大体こんな感じの内容が込められてます。
- 光としての表現
- 3人の中からの異質感
- アイからの奪還
- 黒川あかねとの対比
- おまけ:遊び心☆
順番に行ってみましょう~!!
有馬かなのサイリウムについて
有馬かなのサイリウムが白であることについて、作品の中では「先輩はドルオタじゃないから~」とざっくりした説明を与えられていますが、
それで納得してはいけません!!(笑)
この作品の作者さんがわざわざ何かするときは、恐らく別の意味があるというのが、
ノイローゼになりかけたすずやの実感です。
違和感はスルーするな!ググれ!考えろ!マクガイバー!(あ、違う作品ww)
という感じですね。
過去記事の内容も含みますが、解説します。
1. 光としての表現について
有馬かなのサイリウムが白にされているのは、星の光が白だからです。
暗い観客席の中、自分の色のサイリウムがないことに絶望している有馬かな。
この場面では有馬かなが自分のサイリウム持っているアクアを発見することで救われます。
このとき、有馬かなが「白いサイリウム=光」を発見するように作られています。ここでの光は、当然「星」や「希望」も同時に意味します。
2.3人の中での異質感
単純に考えれば、3人いるメンバーで赤、黄ときたら青や、他の色付きが来るはずです。
例えば信号機では赤・黄ときたら青や緑といった配色になります。
グループ内で存在感を並列にしたい場合は、他の何らかの色付きのサイリウムを持ってくるのが定石です。
しかし、ここでは白。
なんだか違和感がありますね?
これはアイドルオタクでアイドルになりたいMEMとルビーと、アイドル活動に消極的な有馬かなという、
この微妙な温度差をサイリウムを白にすることで表現していると考えれば、納得がいきます。(主観です)
白いサイリウムだけで、光と異質感という二つの意味を重ねているのです。
見事な表現ですよね!
3.星野アイとの対比
次は星野アイとの対比について説明します。
さて、星野アイのサイリウムは何色だったでしょう?
・・・
・・・
・・・
はい!正解は赤!
ルビーが星野アイと同じ色がいい!といって赤いサイリウムを選択していましたね!
この星野アイ:赤、有馬かな:白という色がこの二人を対比として扱う大きな理由です。
〇赤と白の対比
白の反対は通常黒ですが、じゃあ黒いサイリウムに決定☆ってされたら、中々奇抜な展開ですよね。
そして、日本語には「紅白」という赤と白を反対の色として扱う文化があります。
有馬かなは3人のサイリウムを持っているアクアに腹を立てて、「私の色に染め上げて見せる」(4巻#045)と言っています。
表向き描かれているのは3色→白ですが、同時に裏側で描かれているのは赤(アイ)→白です。
なぜなら、ポーズを決めた有馬かなの二つ後のコマに、有馬かなの手の中にひときわ輝く星が描かれているからです。
雨宮吾郎がアイの才能を「一番星」(1巻#002 アイとの屋上での会話)と表現していましたが、有馬かなの手の中に星が描かれることによって、アイドルとしてアイと同等以上の魅力を有馬かなに感じている→奪還完了が示唆されています。
つまり、ここで作者がこっそり描いているのは「アイからの推しポジション奪還宣言~完了済み~」、というわけです。
〇補足:筆者の主観による名前考察
星野アイという名前と有馬かなという名前。ここにも対比があるのでは?というのがすずやの考えです。
映画タイトルが「それがはじまり」(1巻#008有馬かなが持つ台本)だったように、アイの名前は「あいうえお(五十音順)」の「あい」であり、スタートを意味します。
そして、有馬かなの「かな」は、「仮名文字(かなもじ)」、つまり「すべて」という意味なのでは?と思います。
星野アイの名前が出発で、有馬かなが全てになる、という上位互換的な意味が隠されている、のかもしれません。
※この見方だと、ルビーは「ルビ(ふりがな)」として見ることもできます。
4. 黒川あかねとの対比
さて、3.の中で白と対比の色について言及しましたが、何色だったでしょうか?
・・・
・・・
・・・
はい!正解は黒と赤でしたね!
皆さん覚えてますか?
そして、すぐに気づいたはずです!
あれっ?黒川 あかねじゃん!!
と。
そうです。黒と赤なら黒川 あかね(茜=赤)ですよね。
だから何なのという話ですが、作品中は有馬かなと黒川あかねは対比の構造として描かれていると思います。
なので、その一端もここで示されているのでは?と思った次第です。
でも、「あかね」はその他にも意味があるので、もしかしたら偶然かもしれません。
5.おまけ:遊び心☆
5番はおまけです。今までとはちょっと違う流れになります。
白いサイリウムに決めた理由ではなく、白いサイリウムにしたことによって、「染め上げる」の台詞を決めたんでは?
という超超個人的な推測のお話です。
なので、個人の空想に付き合いきれるか!という方は華麗にスルーしてください☆
〇白で染め上げるという不思議
「染める」というときは、通常白い布や紙といった色のないもの(もしくは薄い色のもの)を、他の色で染めます。
ですので、白で染め上げるって実は矛盾した表現のように感じます。
そして、
「アンタのサイリウムを真っ白に染め上げてやる」
という有馬かなの台詞は、いやサイリウムは元々白いし、物理的に他の色に染めたり染められたりするようなものではないというツッコミもできる訳です。
直接『サイリウムを私の色だけにしてみせる!』といってもいいところを、
あえて「サイリウムを真っ白に染め上げる」という物理的かつ言語イメージ的に矛盾した表現を持ってきたんだなと思いました。
今日あまの時も思いましたが、この作者さん矛盾した表現を持ち込むのがマジで好きだな、という感想に至ったすずやでした(主観です。)
それかあれですね、いわゆる「私の色に染める」という一般的な表現と掛けたかったかどちらかですね。(←案外こっちの方かも・・・?)
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
こじつけじゃん?主観でしょ?という声も聞こえてきそうですが、
まあまあ、そういうこともあるかもね~?とでも思っていただければよい次第です。
次回はノイローゼになりかけたきっかけの姫川大輝編について書きたいと思います。
姫川の苗字も中々面白いので、ご興味がある方はぜひお立ち寄りください。
アイドル関係のものは『~サインはB?いえ13です!【推しの子】解釈・考察編その9 あなたのアイドル13持ち説!』でも取り上げているので、こちらもおすすめです。
それでは、本日はこれにて。
コメント
私は度々出てくる「白薔薇」とかけていると思います。
白薔薇の花言葉は、尊敬です。
そしてアクアは有馬かなに対して、度々尊敬ないし一目置いている台詞を言っています。
黒川あかねがした際に「黒川あかねに有馬かなが?(嫉妬するの?)」
ぴえヨンに変装した際に「有馬かなは凄いと思うけど」
アクアも有馬かなのことが忘れられなかったのではないかと思ったのですが、アクアは有馬かなを忘れていたので、このロマンチック路線は無さそうですね。
コメントありがとうございます!
白薔薇は特に重要な花ですよね。
サイリウムの色と合わせてバラの花言葉を調べてみました。
赤いバラ:愛 情熱 美
白いバラ:尊敬
黄色いバラ;献身、友情
ちなみに黒いバラもあり、なんと「あなたはあくまでわたしのもの」という意味があるそうです。
アクアと有馬かなの関係がどの程度まで発展するのかわかりませんが、そこも含めて楽しみですよね!